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映画:エンゼル・ハート 解説とレビュー ※以下、ネタバレあり ★『エンゼル・ハート』の影響 この作品を観て、1987年にこの「本人落ち」の作品が出ていたのかということにまず驚かされました。 対象商品: エンゼル・ハート [Blu-ray] - ミッキー・ローク Blu-ray ¥3,526 残り5点(入荷予定あり) この商品は、Amazon.co.jpが販売および発送します。 ハリーはジョニーがニューヨークのタイムズ・スクエアである人と会ったことをつきとめた。ニューオリンズでルイ・サイファーに会い、彼が実はルシファー、つまり悪魔であることが判明。ジョニーは悪魔と契約してハリーになったのだ。エピファニーの死体を前に、ジョニーは「俺の娘だ」という。これまでの殺人はすべて彼が犯していたのだった。55年。しがない私立探偵ハリー・エンゼル(ミッキー・ローク)は、黒人ばかりの教会で、爪を長くのばしたルイ・サイファー(ロバート・デ・ニーロ)から仕事を依頼された。戦前の人気歌手ジョニー・フェイヴァリットを探してほしいというのだ。ある惨殺事件をめぐってその真相に迫る1人の探偵の姿を描くサスペンス。彼は戦争の後遺症で精神病院へ収容されているはずだが、病院の記録を見ると彼は退院したことになっている。しかし、当時はまだなかったはずのボールペンで書かれているので、あやしんだハリーは主治医ファウラー(マイケル・ヒギンズ)を訪ねた。彼は、モルフィネ中毒でジョニーが男女2人に連れられて退院したことを話す。一度外出してもどってくると、ファウラーは惨殺されていた。ジョニーが占い師とつきあっていたことをつきとめ、彼女の行方を追ってニューオリンズへ。安ホテルにとまり、占い師のマーガレット(シャーロット・ランプリング)に会い、ジョニーのことを聞き出そうとするが失敗する。ジャズクラブでかつてのジョニーの同僚ツーツ・スイート(ブラウニー・マッギー)に話をきこうとして叩き出されたり、ジョニーの愛人だった黒人女性宅を訪ね、母は死んだと娘のエピファニー(リサ・ボネー)に聞かされた。マーガレットが殺される。ヴードゥ教の巫女であるエピファニーと情を通じ、絶頂時に彼女の首をしめかけるハリー。マーガレットの父イーサン(ストッカー・フォントリュー)も殺される。監督・脚本はアラン・パーカー。原作はウィリアム・ヒョーツバーグ著『堕ちる天使』。出演はミッキー・ローク、リサ・ボネー、ロバート・デ・二―ロ。 「エンゼル・ハート」の原作となる『堕ちる天使』が書かれたのは1978年。当時はそのあまりに禍々しい内容から廃刊運動まで起こりました。暴力的であり性的であり宗教的であり、すべてが大人向きの作品です。スティーブン・キングに「レモンド・チャンドラーが書いたオカルト」と言わしめたのも頷けます。そしてその原作を超えたと言われるほど見事に小説のイメージが映像化されているのです。 このデータベースのデータおよび解説文等の権利はすべて株式会社スティングレイが所有しています。 データ及び解説文、画像等の無断転用を一切禁じます。 ジョニーの娘でありブードゥ教の巫女でもあるエピファニーを演じているのがリサ・ボネットです。「ザ・コスビー・ショー」でアメリカのお茶の間のアイドル的存在であった彼女が、ホームドラマとはまったく違う演技を見せています。昼間にハリーと会った時のピュアとしか言いようの無い愛らしさと夜のブードゥの巫女としての異様さの落差。ハリーとのベッドシーンはなんとも凄まじく、この映画のすべてが込められているとも言えます。「エンゼル・ハート」が後の映画に与えた影響の一番大きなものがその映像演出でした。最初に現れる黒人の死体がこの後の血と死を暗示します。繰り返し現れるイメージがどうしようもなく不安感を誘います。回る換気扇、アパートの螺旋階段、降下するエレベーター、タップダンス。それ自体は何ということもないものが繰り返されることで、理由もわからない不安が増殖されていくのです。光と影を強調したそのゴシックな映像が不気味な効果となって、ハリーとジョニーの光と影を破滅へと導く暗示となっています。1955年のニューヨーク。しがない探偵のハリー・エンゼルはサイファーと名乗る男に人探しの依頼を受けます。戦前の人気歌手であるジョニー・フェイバリットを探すというその仕事を引き受けたハリーは、結果的に次々と殺人事件に巻き込まれていきます。ジョニーはどこにいるのか、サイファーは何者なのか。謎は重奏となりその映像と相まってショッキングなラストへと向かっていきます。映画をより楽しむために、ネタバレを含んだ9つの見所をご紹介します。監督は1944年生まれのイギリス人アラン・パーカーです。「小さな恋のメロディ」の脚本家であり「ダウンタウン物語」で監督デビューした彼は、2作目の「ミッドナイト・エクスプレス」でアカデミー賞にノミネートされます。細部までこだわった演出と映像美はデビュー作からのものでした。音楽の使い方の上手さでも定評があり、この作品でもそれが存分に発揮されています。「これはホラー映画ではない」という監督のコメントからも、あくまで映像にこだわった監督の意志が伺えます。落ちぶれた感のある大金には縁がなさそうなショボイ探偵が、どう見ても富豪の男から依頼を受けます。「なめくじを知っているか」「通ったあとに必ず跡を残す」と言うサイファーの言葉どおり、ジョニー・フェイバリットを探しながら彼の魂の跡を辿っていくハリー・エンゼル。そして探偵は誰に辿りつくのか。この映画の公開後、日本のミステリ小説の新人賞応募作品に類似のものが増えたそうですが、それも仕方ないと思わせる迫力が「エンゼル・ハート」には満ちています。「エンゼル・ハート」の9つの見所をご紹介しました。どの見所も無視できないのがこの映画です。1987年度の雑誌「スクリーン」で読者投票4位になったのも納得できますよね。自分が自分であることに不安を抱いてしまうような、未知の分野を映画に初めて持ち込んだ記念碑的な作品です。主人公であるしがない探偵ハリー・エンゼル、演じるのはミッキー・ロークです。当時のロークはアメリカのセクシーシンボルとまで言われていました。甘いマスクにどこか孤独な凶暴さを秘めたような彼の魅力は、映画の中でも遺憾なく発揮されています。この映画が制作された1987年にはなんと3本もの主演作品が公開されました。まさに旬の輝きをはなっていた時期のミッキー・ロークが素晴らしい演技を見せています。「エンゼル・ハート」の原作となる『堕ちる天使』が書かれたのは1978年。当時はそのあまりに禍々しい内容から廃刊運動まで起こりました。暴力的であり性的であり宗教的であり、すべてが大人向きの作品です。スティーブン・キングに「レモンド・チャンドラーが書いたオカルト」と言わしめたのも頷けます。そしてその原作を超えたと言われるほど見事に小説のイメージが映像化されているのです。退廃的な香りをまとった謎めいた美女マーガレット。誰が演じるってシャーロット・ランプリングしかいないわけです。ジョニー・フェイバリットのかつての恋人だったという彼女は、結局心臓をえぐられるという殺され方をしてしまいます。シャーロット・ランプリングほどの女優がなぜこんなに簡単に殺されてしまうのかと思われるでしょうか。彼女の出演作に「さらば愛しき人よ」という作品があります。この「さらば愛しき女よ」の原作がレイモンド・チャンドラーなのです。シャーロット・ランプリングは醸し出すその雰囲気とともに、探偵と謎めいた美女というシチュエーションに対する監督のオマージュとしても必須の存在なのでした。映画の前半、ハリー・エンゼルが車を運転しながら下手な口笛を吹きます。それがすべての答えになっている、そんな音楽の使い方をしているのがこの「エンゼル・ハート」です。トレヴァー・ジョーンズの音楽はそれだけでも人の不安を掻き立てずにはおきません。一見明るいゴスペルでさえもどこか恐怖の対象になってしまうのです。監督アラン・パーカーの狙い通りに映像とともに脳内をひっかきまわす音楽が、より一層の恐怖を与えてくれます。依頼人ルイス・サイファーを演じるのはロバート・デ・ニーロです。もはや説明などいらない名優ですが、そのすごさはこの映画でもよくわかりますね。いつもながらの凝った役作りですが、長く伸ばした爪、大きな五芒星の指輪、その闇のような重厚感が映画全体に常に影のように不気味な空気を与えています。ゆで卵の殻をむいて食べる、それだけのシーンでこれだけすごい人はそういないでしょう。ルイス・サイファー=ルシファー(魔王)であることもあえて述べておきます。 エンゼル・ハート (1987) : Angel Heartのストーリー 55年。 しがない私立探偵ハリー・エンゼル(ミッキー・ローク)は、黒人ばかりの教会で、爪を長くのばしたルイ・サイファー(ロバート・デ・ニーロ)から仕事を依頼された。 エンゼル・ハート (1987) (mauvais-genres.comより) かなり前の作品ですが、 「サスペリア2」 のようにホラー・ミステリー映画の