お気に入り追加. 『タッチ』は、あだち充による日本の漫画作品。『週刊少年サンデー』(小学館)に1981年36号から1986年50号まで連載された。 高校野球を題材に、双子の兄弟である上杉達也・和也と幼馴染の浅倉南の3人を軸にした恋愛を絡めて描いている。. あだち充先生の漫画『mix』が連載7年目にして、ついにアニメ化決定いたしました! mixはあの不朽の名作『タッチ』の30年後を描くストーリーです。 今回は、主要人物からタッチとの関係性や違うところ、達也と南のその後についてまとめました。 その後の続編の1998年に『タッチ Miss Lonely Yesterday あれから君は…』を観ています。 どなたかが、この作品を 「まるで二次小説のようだ」 と評していましたが本当にそうです! 本当に二次小説的展開だ、これ。。。 わたし、二次小説、結構好きなんですよ。 アニメ版では最終回の続きとして、2本の続編が作られています。1つめは大学に進学した2人、2つめは達也が渡米してマイナーリーグに挑戦する物語でした。ラストで達也と南が結ばれたことが示唆されますが、2人の将来について具体的なことは何も描かれませんでした。本作はかつて「週刊少年サンデー」で連載されていた人気漫画です。ラブコメと野球を両立させ、「スポ根」の概念を覆した野球漫画の金字塔。一定以上の年代にとっては、まさに青春そのものと言っても過言ではないこの作品を、余すところなくご紹介したいと思います。物語のクライマックスである甲子園地区予選の決勝、明青学園VS須見工業。実績でいえばはるか格上の須見工相手に、明青は引けを取らない試合をくり広げました。出来すぎた展開に、南は和也の加護を感じるのですが……それを原田が聞き咎めました。全ては練習の賜物だと、彼女を諫めたのです。物語の展開的に2人が離れつつあったので、このストレートな告白が効果的に響きました。この直後の「描かないことで描く」劇的な場面も見所です。和也の死後、達也が彼の代わりに野球部に入った時、1番反対したのは孝太郎でした。和也の理解者だけに、反発も大きかったのです。しかし達也が本気だとわかってからは、徐々に新たな名コンビになっていきます。ライバル須見工に勝利した明青学園は、甲子園本選出場を決めました。柏葉に代わって復調した西尾監督と野球部は、甲子園に乗り込みます。もちろん、ライバルも忘れてはいけません。強豪・須見工の強敵、新田明男。明青と達也にとっては因縁の相手です。勢南高校のエース西村勇は、南を狙う恋のライバルでもあります。西条高校の寺島は序盤の最大の障害になりました。頼れる味方から、敵に変貌した吉田剛という例もあります。まだ野球を始める前、達也がまだボクシングに勤しんでいた時のこと。試合に負けた彼は、励ましに来た南にこう呟きました。まさしくリクエスト通りに行動した、南のヒロイン力の高さが光ります。他にも劇場映画や実写作品など、多くのメディアミックスが作られました。意外なところでは、ファミコンのゲーム(なんと野球ではなくアクション!)にもなっています。本来の彼は、和也を上回る正真正銘の天才。無欲で心優しい達也は、駄目な兄貴を演じることで弟の引き立て役に回っていたのです。自身が幼馴染みの浅倉南に惹かれていっても、それは変わりませんでした。ではなぜ彼女が達也を好きだったのかというと、極論すれば本人にしかわかりません。彼女が風邪を引いた時に、子供にとって高価だったレモン(彼女が欲しがっていた)をお見舞いに持っていったり、兄貴分として弟や彼女を持ち上げたり……そういった彼のさりげない優しさに、早くから気付いていたからではないでしょうか。野球部のエース・和也のモチベーションは、南がかつて語った、母校が甲子園に行くという夢を叶えることにありました。彼女の気持ちが達也に向いていることを知りつつ、それでも諦めていない健気な男心が窺えます。彼の行く末を思えば、非常に切なくなる名言です。先にもご紹介しましたが、地区予選決勝当日、甲子園を夢見た上杉和也は子供を庇って交通事故に遭い、亡くなりました。双子の兄弟と幼馴染みという三角関係で続いてきた物語は、ここで決定的なターニングポイントを迎えます。一方、野球部と達也にとって一大事の甲子園と同時期、南は新体操のインターハイの日程が重なってしまいます。精神的にプレッシャーを感じた彼女は、思わず会場から逃げ出しました。和也の死という衝撃的な展開、実はこれ、最初から決まっていたことだったのです。明青野球部監督の柏葉英二郎。彼が登場したのは物語の途中からですが、影の主人公ともいうべき重要人物です。強面の風体、鬼のようなしごきにもわけがあります。野球部ではありませんが、彼にも目を見張るものがあります。達也とは気心の知れた親友で、高校でボクシング部に誘ったのも彼でした。気丈で明るく、スタイル抜群。今に至るまで多くの読者、視聴者を魅了した理想的なヒロインとして知られています。そこに甲子園開会式を抜け出してきた達也が現れます。2人は気持ちを確認し合い、新しいスタートを切りました。果たして、甲子園とインターハイ、それぞれの行方はどうなるのでしょうか。物語の途中から新体操部を兼任。初出場で入賞という大活躍をしたことで、世間の注目を浴びました。当時、彼女の影響で新体操を始めた、という女性読者も少なくないでしょう。原作の最後には、インターハイ個人優勝を飾ったことも明かされています。本作をご存じない方には、誤解されがちなことが1つあります。それは和也を好きだった彼女が、彼が亡くなったことで達也に乗り換えた、という誤りです。作中でも関係者以外にはそう思われていたので、無理はありませんが。ピッチャーには欠かせないキャッチャー、主人公の大事な相棒にして女房役といえばこの人、松平孝太郎です。地味な役回りですが、野球でも人間関係でも燻し銀の活躍をしました。本作は長く愛され、語り継がれる名作野球漫画です。物語の各所では、本作を名作たらしめる名言、名シーンがいくつも出てきます。そんななかから、選りすぐりの5選をご紹介しましょう。アニメの設定が生きていれば、達也がメジャーリーガーとして登場する可能性も……?野球漫画でありつつ、ラブコメでもある本作は、キャラクターにも重点が置かれています。魅力的なのは主人公の「たっちゃん」こと上杉達也、ヒロイン浅倉南だけではありません。原作の人気もさることながら、アニメ化によってさらに爆発的に知名度は高まりました。三ツ矢雄二、日高のり子によって演じられた達也と南は、一躍国民的キャラに。岩崎良美が歌った主題歌は、未だに数々のミュージシャンからカバーされる名曲です。そして野球部の面々、上杉兄弟の相方を務める松平孝太郎に、主将の黒木武、意外な活躍をする佐々木……。本作は爽やかな高校野球、少女漫画からいいとこ取りした恋愛要素、重厚なストーリーテリングが魅力の野球漫画です。恋愛を主軸の1つに据えたこの偉大な物語は、それまでスポーツ漫画を牽引していた「スポ根」というジャンルを終わらせた、とも言われています。彼は元々、中学野球で和也とバッテリーを組んでいました。明青野球部でチームメイトになってからも、良好なコンビネーションで公私ともに信頼し合う仲だったのです。一方、達也とはそりが合わず、性格的に敬遠していました。さらにあだちは、編集者から死なせないように要望を受けていながら、描き上げた原稿を置いて行方をくらまし、無理矢理に死亡回を掲載させたそうです。彼女はずっと一途に達也を想い続けていますが、彼女自身は新田や西村など、多くの登場人物からアプローチを受けています。甲子園の強豪、須見工との練習試合。明青の旗色は思わしくありませんでした。達也は強敵・新田と戦い抜くための最後の一押しを、南に求めました。和也にはあって、達也になかったものです。彼女の夢を担うという大業です。彼女のこの言葉はカンフル剤となって、彼の投球に力を与えました。そこでも決定的なところは描かれず、2人が結婚したかどうかでファンをやきもきさせています。優秀な弟とは正反対に勉強も運動も出来ず、面倒くさがりのいい加減な少年です。軽口が多く見られますが、押し隠した本性がそうさせるのか、結構人望があります。最終回のラストの1コマに、ぜひ注目していただきたい本巻。あだち充による、心憎い演出となっています。あだち充の最新作『MIX』は、30年後の明青学園が舞台。『タッチ』と地続きの話ということもあって、その後の2人の動向が見られるのでは、と往年のファンから熱い視線が注がれています。しかし、実際には違います。多くの異性からアプローチを受けるものの、彼女の気持ちは一貫して達也にありました。淡々と語る達也の台詞が、逆にショックの大きさを物語っています。アニメ版の収録現場では本当にお通夜状態になり、和也役の難波圭一の慰労も兼ねてお葬式がおこなわれたそうです。ところが順調に勝ち進んだ予選大会当日、エース和也は突然、事故死を遂げました。作者と担当編集以外、読者も登場人物も誰もそうなると予想しなかった衝撃の展開です。彼女は、本作のメインヒロインです。上杉兄弟とは幼馴染みで、彼らの所属する(した)明青高校野球部のマネージャー。和也に遠慮して高校野球部に入るのを断念した彼は、成り行きで始めたボクシング部で弟に負けないよう頂点を目指そうとします。和也を事故で失ったのは、その矢先のことでした。一見すると無骨な大男ですが、鋭い人間観察眼を備えており、ことあるごとに本質を見抜いた一言を漏らします。亡骸を前にして呆然とする達也と南の2人のシーンは、作品の枠を越えて語り継がれる名場面です。本作といえば、この台詞も外せません。最終回で甲子園の試合よりも優先された、達也の告白シーンです。『タッチ』の意味は「バトンタッチ」。弟から兄に交代するという意味で付けられたことが、2016年の雑誌「ゲッサン」でおこなわれた作者・あだち充へのインタビューで明らかになりました。失意のなか、彼は弟の抜けた穴で崩壊寸前となった野球部に勧誘され、本格的に物語は動き始めます。双子の兄弟と幼馴染みの三角関係。身近な人物の死。そして青春の葛藤……本作にはさまざまなドラマがあります。まずは達也の双子の弟、「かっちゃん」と呼ばれる上杉和也。彼は、前半のもう1人の主人公といえます。悲劇の天才。彼の死が『タッチ』に深みを与えました。連載当時、上杉兄弟と南の三角関係は好評で、サンデー編集部側ですら最後までこの調子だと思い込んでいたそうです。 その舞台は「タッチ」から約30年後の明青学園を描いた漫画「mix」に描かれています。 あだち充氏が新たに描く 明青学園には立花投馬(たちばな とうま)という投手 がいて、上杉達也の映像を昔から観ていたと言います。
この記事に関するお問い合わせ. アニメ版では最終回の続きとして、2本の続編が作られています。1つめは大学に進学した2人、2つめは達也が渡米してマイナーリーグに挑戦する物語でした。ラストで達也と南が結ばれたことが示唆されますが、2人の将来について具体的なことは何も描かれませんでした。本作はかつて「週刊少年サンデー」で連載されていた人気漫画です。ラブコメと野球を両立させ、「スポ根」の概念を覆した野球漫画の金字塔。一定以上の年代にとっては、まさに青春そのものと言っても過言ではないこの作品を、余すところなくご紹介したいと思います。物語のクライマックスである甲子園地区予選の決勝、明青学園VS須見工業。実績でいえばはるか格上の須見工相手に、明青は引けを取らない試合をくり広げました。出来すぎた展開に、南は和也の加護を感じるのですが……それを原田が聞き咎めました。全ては練習の賜物だと、彼女を諫めたのです。物語の展開的に2人が離れつつあったので、このストレートな告白が効果的に響きました。この直後の「描かないことで描く」劇的な場面も見所です。和也の死後、達也が彼の代わりに野球部に入った時、1番反対したのは孝太郎でした。和也の理解者だけに、反発も大きかったのです。しかし達也が本気だとわかってからは、徐々に新たな名コンビになっていきます。ライバル須見工に勝利した明青学園は、甲子園本選出場を決めました。柏葉に代わって復調した西尾監督と野球部は、甲子園に乗り込みます。もちろん、ライバルも忘れてはいけません。強豪・須見工の強敵、新田明男。明青と達也にとっては因縁の相手です。勢南高校のエース西村勇は、南を狙う恋のライバルでもあります。西条高校の寺島は序盤の最大の障害になりました。頼れる味方から、敵に変貌した吉田剛という例もあります。まだ野球を始める前、達也がまだボクシングに勤しんでいた時のこと。試合に負けた彼は、励ましに来た南にこう呟きました。まさしくリクエスト通りに行動した、南のヒロイン力の高さが光ります。他にも劇場映画や実写作品など、多くのメディアミックスが作られました。意外なところでは、ファミコンのゲーム(なんと野球ではなくアクション!)にもなっています。本来の彼は、和也を上回る正真正銘の天才。無欲で心優しい達也は、駄目な兄貴を演じることで弟の引き立て役に回っていたのです。自身が幼馴染みの浅倉南に惹かれていっても、それは変わりませんでした。ではなぜ彼女が達也を好きだったのかというと、極論すれば本人にしかわかりません。彼女が風邪を引いた時に、子供にとって高価だったレモン(彼女が欲しがっていた)をお見舞いに持っていったり、兄貴分として弟や彼女を持ち上げたり……そういった彼のさりげない優しさに、早くから気付いていたからではないでしょうか。野球部のエース・和也のモチベーションは、南がかつて語った、母校が甲子園に行くという夢を叶えることにありました。彼女の気持ちが達也に向いていることを知りつつ、それでも諦めていない健気な男心が窺えます。彼の行く末を思えば、非常に切なくなる名言です。先にもご紹介しましたが、地区予選決勝当日、甲子園を夢見た上杉和也は子供を庇って交通事故に遭い、亡くなりました。双子の兄弟と幼馴染みという三角関係で続いてきた物語は、ここで決定的なターニングポイントを迎えます。一方、野球部と達也にとって一大事の甲子園と同時期、南は新体操のインターハイの日程が重なってしまいます。精神的にプレッシャーを感じた彼女は、思わず会場から逃げ出しました。和也の死という衝撃的な展開、実はこれ、最初から決まっていたことだったのです。明青野球部監督の柏葉英二郎。彼が登場したのは物語の途中からですが、影の主人公ともいうべき重要人物です。強面の風体、鬼のようなしごきにもわけがあります。野球部ではありませんが、彼にも目を見張るものがあります。達也とは気心の知れた親友で、高校でボクシング部に誘ったのも彼でした。気丈で明るく、スタイル抜群。今に至るまで多くの読者、視聴者を魅了した理想的なヒロインとして知られています。そこに甲子園開会式を抜け出してきた達也が現れます。2人は気持ちを確認し合い、新しいスタートを切りました。果たして、甲子園とインターハイ、それぞれの行方はどうなるのでしょうか。物語の途中から新体操部を兼任。初出場で入賞という大活躍をしたことで、世間の注目を浴びました。当時、彼女の影響で新体操を始めた、という女性読者も少なくないでしょう。原作の最後には、インターハイ個人優勝を飾ったことも明かされています。本作をご存じない方には、誤解されがちなことが1つあります。それは和也を好きだった彼女が、彼が亡くなったことで達也に乗り換えた、という誤りです。作中でも関係者以外にはそう思われていたので、無理はありませんが。ピッチャーには欠かせないキャッチャー、主人公の大事な相棒にして女房役といえばこの人、松平孝太郎です。地味な役回りですが、野球でも人間関係でも燻し銀の活躍をしました。本作は長く愛され、語り継がれる名作野球漫画です。物語の各所では、本作を名作たらしめる名言、名シーンがいくつも出てきます。そんななかから、選りすぐりの5選をご紹介しましょう。アニメの設定が生きていれば、達也がメジャーリーガーとして登場する可能性も……?野球漫画でありつつ、ラブコメでもある本作は、キャラクターにも重点が置かれています。魅力的なのは主人公の「たっちゃん」こと上杉達也、ヒロイン浅倉南だけではありません。原作の人気もさることながら、アニメ化によってさらに爆発的に知名度は高まりました。三ツ矢雄二、日高のり子によって演じられた達也と南は、一躍国民的キャラに。岩崎良美が歌った主題歌は、未だに数々のミュージシャンからカバーされる名曲です。そして野球部の面々、上杉兄弟の相方を務める松平孝太郎に、主将の黒木武、意外な活躍をする佐々木……。本作は爽やかな高校野球、少女漫画からいいとこ取りした恋愛要素、重厚なストーリーテリングが魅力の野球漫画です。恋愛を主軸の1つに据えたこの偉大な物語は、それまでスポーツ漫画を牽引していた「スポ根」というジャンルを終わらせた、とも言われています。彼は元々、中学野球で和也とバッテリーを組んでいました。明青野球部でチームメイトになってからも、良好なコンビネーションで公私ともに信頼し合う仲だったのです。一方、達也とはそりが合わず、性格的に敬遠していました。さらにあだちは、編集者から死なせないように要望を受けていながら、描き上げた原稿を置いて行方をくらまし、無理矢理に死亡回を掲載させたそうです。彼女はずっと一途に達也を想い続けていますが、彼女自身は新田や西村など、多くの登場人物からアプローチを受けています。甲子園の強豪、須見工との練習試合。明青の旗色は思わしくありませんでした。達也は強敵・新田と戦い抜くための最後の一押しを、南に求めました。和也にはあって、達也になかったものです。彼女の夢を担うという大業です。彼女のこの言葉はカンフル剤となって、彼の投球に力を与えました。そこでも決定的なところは描かれず、2人が結婚したかどうかでファンをやきもきさせています。優秀な弟とは正反対に勉強も運動も出来ず、面倒くさがりのいい加減な少年です。軽口が多く見られますが、押し隠した本性がそうさせるのか、結構人望があります。最終回のラストの1コマに、ぜひ注目していただきたい本巻。あだち充による、心憎い演出となっています。あだち充の最新作『MIX』は、30年後の明青学園が舞台。『タッチ』と地続きの話ということもあって、その後の2人の動向が見られるのでは、と往年のファンから熱い視線が注がれています。しかし、実際には違います。多くの異性からアプローチを受けるものの、彼女の気持ちは一貫して達也にありました。淡々と語る達也の台詞が、逆にショックの大きさを物語っています。アニメ版の収録現場では本当にお通夜状態になり、和也役の難波圭一の慰労も兼ねてお葬式がおこなわれたそうです。ところが順調に勝ち進んだ予選大会当日、エース和也は突然、事故死を遂げました。作者と担当編集以外、読者も登場人物も誰もそうなると予想しなかった衝撃の展開です。彼女は、本作のメインヒロインです。上杉兄弟とは幼馴染みで、彼らの所属する(した)明青高校野球部のマネージャー。和也に遠慮して高校野球部に入るのを断念した彼は、成り行きで始めたボクシング部で弟に負けないよう頂点を目指そうとします。和也を事故で失ったのは、その矢先のことでした。一見すると無骨な大男ですが、鋭い人間観察眼を備えており、ことあるごとに本質を見抜いた一言を漏らします。亡骸を前にして呆然とする達也と南の2人のシーンは、作品の枠を越えて語り継がれる名場面です。本作といえば、この台詞も外せません。最終回で甲子園の試合よりも優先された、達也の告白シーンです。『タッチ』の意味は「バトンタッチ」。弟から兄に交代するという意味で付けられたことが、2016年の雑誌「ゲッサン」でおこなわれた作者・あだち充へのインタビューで明らかになりました。失意のなか、彼は弟の抜けた穴で崩壊寸前となった野球部に勧誘され、本格的に物語は動き始めます。双子の兄弟と幼馴染みの三角関係。身近な人物の死。そして青春の葛藤……本作にはさまざまなドラマがあります。まずは達也の双子の弟、「かっちゃん」と呼ばれる上杉和也。彼は、前半のもう1人の主人公といえます。悲劇の天才。彼の死が『タッチ』に深みを与えました。連載当時、上杉兄弟と南の三角関係は好評で、サンデー編集部側ですら最後までこの調子だと思い込んでいたそうです。