1つ目が、「生産性の徹底的な向上のための業務改善」。厚労省職員の負担になっているのは、国会業務だという。国会で開かれる委員会のスケジュールは、1~2日前に決まる。開催予定が直前まで決まらなければ、質疑する議員からの質問通告が遅くなる。通告が開催前日深夜に及べば、答弁作成業務も深夜になる。 今回、厚労相へ提出された「緊急提言」は3本柱になっている。 つらい苦しみを持つ人たちが世の中にたくさんいるのではと思い、政策をやろうと考えた。選択肢には、経済産業省か厚労省があった。など、「厚生労働省の職員として、言葉を失う」(緊急提言より)意見だった。 厚生労働省の業務や組織改善を求める緊急提言を2019年8月26日、同省の20~30代の若手職員を中心とするチームが根本匠厚労相に行い、注目を集めた。 今夏から、妻には働いてもらい、保育園のお迎えは久米さんが行く生活をしているという。 久米さんの周りでは、厚労省を辞めた人も数人いる。 昨今、厚労省をめぐっては、統計不正問題などの不祥事が相次いだ。緊急提言では、「過酷な労働環境は、さらなる悪循環を引き起こしている」などとした上で、毎月勤労統計調査問題における調査報告で「不十分な人員体制による業務遂行・チェック体制の不備が、事案発生の理由の一つとして掲げられている」と指摘。また、起こりうる不祥事については、「組織全体として、一人当たりの業務量負荷が増し、労働環境がさらに悪化し、ミスが生まれ、チェック体制が不十分となれば、次の不祥事が発生する要因となりうる」と警鐘も鳴らしている。 2つ目は、「意欲と能力を最大限発揮できる人事制度」。若手チームが行ったアンケートで、「職員を大事にする職場である」と答えたのは、8パーセントだった。希望外の人事になっても、その部署から離れられない構造に疑問を投げかける。 久米さんは「国民の皆さんが期待してもらっているような行政ができてないだろう」などとした上で、「統計問題や裁量労働制のデータ問題などもあると結局、不祥事対応などで余計に人がそっちに割かれ、ほかの行政ができない状態。なんとかしなきゃいかんということと、人がやめていくような状態をどういうふうに組織として留めるか。気持ちよく働いてもらう、というようにしないと、いい政策ができないだろうと思います」と指摘する。 チームは4月25日に発足。厚労省の職員約3800人にアンケートを実施したり、省内外の関係者にヒアリングをしたりした。その中で聞こえてきたのが、 かつて久米さんは、「厚労省の職員が幸せになるのは、(国民の中で)1番最後」と考えていた。 提言では、委員会スケジュールを早く合意して共有することや、質問通告の2日前ルールの徹底を求めている。委員会での出入り柔軟化も求めており、担当の答弁後はすぐに帰庁し、別の業務を行える旨にも触れている。 「職員がいきいきと働ける職場じゃないといい政策も打てない」。久米さんはこう強調する。 3つ目が、「暑い・狭い・暗い・汚い」オフィス環境の改善。「もう、『拘牢省(こうろうしょう)』とは言わせない。オフィス改革による生産性の向上」などをうたい、徹底的な書類の整理やPDF化などを求めている。 チーム代表の久米さんが提言に込めた思いとは、何だろうか。 「好待遇にしてくれとか、楽したい」という思いは一切ない。「今よりも少し改善されて、少しの時間だけでも政策に当てられるとか、少し自分の家族の時間持てるとか、それでいいんです」。 提言では、「意欲と能力のある優秀な職員の抜擢人事と、縦割り行政を見据えた職種間の人事交流を推し進め、組織のポテンシャル最大化へ」と求めている。 久米さんは、徳島県出身。子どものころから貧困分野に関心があった。大学受験で上京した2000年代初頭、初めてホームレスを間近で見た。 提言に込めた思いとは。J-CASTニュースでは28日、チーム代表の人事課・久米隼人課長補佐(36)に話を聞いた。 緊急提言では、具体的内容として、以下の内容を求めている。 しかし、6年前に子どもが生まれ、考え方に変化が生じる。 2006年に入省。最初は、保険局医療課にいた。厚労省は「ものすごく忙しい役所」だと聞いていた通り、とにかく大変で「電話などがひっきりなしに国民の皆さまからかかってきた」と振り返る。 厚生労働省の業務や組織改善を求める緊急提言を2019年8月26日、同省の20~30代の若手職員を中心とするチームが根本匠厚労相に行い、注目を集めた。 働き方改革を推進していくためには、民間企業だけでなく、主導する行政(公務員)自らもアイデアを出し、本気で働き方を変えていく必要があります。 厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言(概要) ※表を左右に動かしてご覧ください。 PDFファイルを見るためには、Adobe Readerというソフトが必要です。 厚生労働省改革若手チームによる「厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言」 小泉進次郎です。 先月末、厚生労働省の若手チームによる、厚労省改革の提 言が発表されました。 第Ⅰ部 厚生労働省における業務・働き方の現状と課題 1. 引用:厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言(概要) これは…ブラックを通り越した、暗黒か?もはや、狂っているレベルと言っても過言ではないかと。(ブラック以上のブラックさを表現する言葉に乏しく、申し訳ございません。 (厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言) 官僚特有の回りくどい文章なので、簡潔に翻訳すると、「就職活動のとき、激務であっても国民の暮らしを少しでも良くしたいと思って厚生労働省に入省 … 厚生労働省の業務や組織改善を求める緊急提言を2019年8月26日、同省の20~30代の若手職員を中心とするチームが根本匠厚労相に行い、注目を集めた。
出典:厚生労働省改革若手チーム「厚生労働省の業務・組織改革のための緊急提言」 まとめ. に絞ってまとめられています。 東大卒の高橋まつりさんが過労自殺した電通は、社員の夜間残業を禁止しました。私の親戚や知人など周囲には現役やOBの霞ヶ関官僚が少なくありません。しかし、若手官僚は「前例は無視して弊害も覚悟してください」と開き直る迫力がなければ、今回の提言は提言だけに終わりそうな予感もします。私の知る限りでは、50代以上の昭和入省世代と、平成中盤以降に入省した世代では、官僚の目的意識が変化しているとも感じます。提言の内容ですが、冒頭で、なぜ、このような提言をまとめたのか、その理由に触れています。ただ、国会質疑から離れた役所職員にとっては、その答弁作業が国民生活にどう直接貢献しているのか、その意義を見出せず、心を病む人が現れるのも理解はできます。ですから、もう一人、頑張らないといけない人がいます。それは官僚トップの事務次官です。厚労省の若手官僚が発表した緊急提言は、最終的に政治家や事務次官ら幹部が動かなければ、実現しないことばかりです。官僚特有の回りくどい文章なので、簡潔に翻訳すると、「就職活動のとき、激務であっても国民の暮らしを少しでも良くしたいと思って厚生労働省に入省した。しかし、職員の能力を十分に発揮できない職場環境では国民生活も向上させることはできない。そう考えて緊急提言を発表した」と言いたいようです。その厚労省の若手官僚が、自分たちの職場がいかにブラックな状態なのか、異例の緊急提言を発表しました。冒頭は役人特有の分かりにくい文章ですが、緊急提言の中身は圧巻でした。組織の不都合な事実が判明するかもしれない調査や提言には上層部が制止するものですが、それを容認した上層部も立派です。改革若手チームは、全ての人事グループの幹部・若手にヒアリングや対話、2回の大規模な職員アンケートを実施。さらに、若くして退職した元官僚14人にもヒアリングして提言をまとめました。むしろ、政治家に重用される官僚になるためにも、寝食を忘れて尽くすことが優秀な官僚だと信じてきた世代です。以前、財務省主計局の幹部に「もう財務省に未来はありません」と言われたこともありました。そこには、厚労官僚の驚くような労働実態や精神状態が赤裸々に綴られていました。ですから、入省時の理想と現実とのギャップ、心の良心や葛藤、家庭生活との両立に悩みながら、日々働いている官僚が増えているのかもしれません。今回の緊急提言は、職員の苦悩や意識が明記されている点が特徴です。実際、親しい政治家が総理大臣など重要なポストに就任すると、自分も栄転しますし、逆に、その政治家が失脚すると左遷ポストに送られた官僚も少なくありません。官僚の天下りに甘い時代は、たとえ左遷されても天下り先の処遇というもう一つのご褒美がありました。一方で、昭和世代は世の中全体が深夜残業が当たり前の風潮で仕事をしてきた世代でもあります。民間企業はクライアントに忙殺され、霞ヶ関の官僚は政治家に忙殺されています。厚生官僚が労働実態を改革するなら、元厚生大臣の小泉純一郎氏が総理大臣に就任した時が最大のチャンスでした。しかし、最近は、もともと天下りを期待して入省する人は減ってきています。若手の覚悟とトップの覚悟、ともに必要な緊急提言だと感じました。ハラスメントというマイナス点と、政治家との調整能力というプラス面を天秤にかけると、政治家との調整能力が優先され、出世してしまうことを暴露しているのです。しかし、霞ヶ関の労働環境は大きなフレーム(枠組み)を変えないことには解決しないと思われます。さらに、法案をめぐる答弁以外にも、労働問題や医療・年金問題が社会問題化した場合、あるいは不祥事への答弁も準備する必要があるため、作成資料は膨大な量となります。現役職員は「生きながら人生の墓場に入ったと思った」「毎日、いつやめようかと考えている」「死にたいと思った」と悲痛な思いを吐露しています。官僚は委員会での大臣答弁に間に合うように、深夜の作業になってしまいます。とくに、自分の役所が提案する法案がある場合、答弁づくりは熾烈を極めます。いずれにしても、志を抱いて入省した若手官僚が理想と現実の乖離に苦しんでいる実態を示唆する文面でもあります。これはブラック企業根絶を目指す役所としては最初に着手すべき問題です。大手企業を早期退職した人。現在は会社経営を妻に任せて物書きをしています。大学卒業後、30数年働き、念願の自由な生活を手に入れました。早期リタイアを実現するために自分が実践した経験や知見を中心に、早期リタイアを目指す方やリタイアした方々に役立つ情報を発信しています。記事数は400を超えましたので、それを読んでいただければ、経済的に自立したリタイア生活のヒントが見つかるはずです。よろしくお願いします。野党議員の質問を事前に入手し、大臣答弁を作成するのが重要な職務になっています。国会答弁に忙殺されるのは、厚労省だけでなく他の省庁にも共通する課題でもあります。ギリギリの精神状態で働いている人が少なくないことが分かります。その際、相手はまるで役人のように、改革に伴う弊害や前例を並べ立てるかもしれません。サラリーマン時代、「クライアントとの関係上、夜、会社で仕事ができないのはつらい」ともらす社員が少なくなかったと聞きました。基本的には質問通告の締め切り厳守や、さらに決め切りを早めること、公開されている細かな数字については質問を原則禁じるなど、政治家の協力なしでは解決できないことばかりです。事務次官まで上り詰めたのですから、もう保身に走る必要はありません。残りの任期は職員の労働環境を守るために、嫌われる覚悟を持って政治家に働きかける努力をするべきです。「国会質疑は大臣と質問者にガチで対決させたらいいではないか」と考える人もいるかもしれませんが、細かい数字や制度の仕組み、過去の答弁内容を質問されることも想定されるため、大臣に丸投げというわけでも行かないというわけです。実際、若手チームのメンバーも「同じ厚生労働省の職員として、言葉を失う意見が相次いだ」と述べています。では、彼らを苦しめている労働実態は、どこに原因があるのでしょうか?民間企業であれば、営業成績の良い社員がパワハラやセクハラを免除されているようなものです。また、早期退職した職員は、このままでは人間らしい生活ができないと悩みながら先々を見越して早期退職を選択したことが分かります。緊急提言の中で、厚生省の若手チームは様々な対策を提言しています。この場合の「未来」は天下り先も含めた先行き、そして仕事の充実感ではないかと思ったものです。なかには、「委員会でのPC・タブレットの利用解禁」のように、国会のルールが旧態然であるために、最新ツールを利用できず、苦労している面もあるようです。一方で、最近の官僚は「公僕」から「政権の私僕」に成り下がったという批判もあります。人手不足でドライバーが対応できないと判断したヤマト運輸は、アマゾンの「当日配送」から撤退しました。国会議員は国民が選んだ人たち。だから、公僕たる官僚が国会議員のために尽くすことは国民に尽くす擬似的行為というわけです。官僚という仕事を通じて社会貢献したい、自己実現したい、そんな若手官僚が増えているように感じます。労働や医療、年金、介護まで、幅広い国民生活を担っているのが、厚生労働省という中央官庁です。