「でもね、その後みんながどうなったのかは誰もわからないんだ。その後の話は公式には制作されていないからね」小説、短編小説 たち by 塩沼 哲Novel, short novel by Tetsu Shionuma「僕もだよ。僕もドラえもんに会えて本当に良かった。・・ドラえもんが来てからの日々は本当に・・本当に楽しかった・・」「また・・、また会えるよね?どこかで・・きっとまた・・会えるよね?」「そう。パラレルワールド。並行世界って意味だよ。量子論の研究が進んだ未来では、その存在は当たり前のものになっている。難しい話になるけど、量子力学では・・」「僕を未来の世界で設計したのは他でもない、君だったんだ。大切な想い出を守りたいと願う、のび太君、君だったんだ・・という感動的な話だよ」「確かに君は泣き虫だし、いじめられたらすぐに僕に頼るところがある」「だったら、これからは道具以外の何かを心の支えとすればいいじゃないか。道具以外で勇気を持てるものを持てばいいじゃないか」「ありがとう。今は理解できなくても、いずれ理解できるようになると思うよ」「まあ聞いて。それは、ただ単に誰かが僕らを頭の中で創造しただけなのかもしれない。もしくは、その世界でも僕らは実際に生きていて、その実話をもとにアニメが制作されたのかもしれない」「にわかには信じられない話かもしれない。でも、これは未来の世界ではいたって普通の話なんだ」「しずかちゃんを想う気持ち。それはきっと僕の道具よりも大きなパワーを持つはずだよ」「簡単に言うと、観測しなければそのものがどういう状態にあるのか分からないってことなんだけど・・難しいかな?」「さっきも言ったように、僕たちの世界は無数に存在しているから、僕たちの最終回について色々な話や解釈があるのはいたって普通のことだってこと。誰かが観測している限り、すべてが正解であり、すべてが本当の話なんだってこと」「うん。・・じゃあ、僕は行くよ。またどこかで会えるといいけど・・、きっとこれが最後だと思う」「・・で、さっき出てきた量子力学の観測に関する多世界解釈によるとね、この宇宙は並行していくつもの世界が枝分かれ的に存在しているってことになるんだ。しかもそれは時間と共にどんどん増加している」「だって、だって・・。ドラえもんがいなくなったら僕は生きていけないんだもん!」「うーん、仕方ないなあ。途中だけど話が長くなりそうだからこのあたりでやめておいたほうが良いのかな・・」「どうか勇気を持って。くじけそうになったら、僕ではなく、しずかちゃんのことを考えるんだ」「僕たちがいるこの現代。量子力学の世界では、ものごとの状態を記述する波動関数は観測によって収束されると言われている」「ア、アニメ?ちょっと唐突すぎない?何を言い出すかと思ったら・・」「何を言っているんだ、のび太君。絶対なんてものはないさ。それに大切なものを忘れていないかい?」「だったら、しずかちゃんをがっかりさせないようにしなきゃ。好きな女の子と一緒になりたいのなら、その子を守れる強さを持たないといけないんだよ。大人になったら色々な責任もかかってくる。逃げ出したくなる時もある。でもそのたびに逃げてばっかりだったり、誰かに頼ってばっかりしているようだったら女の子はついてこないよ。ましてや、一緒になりたいなんて思わないよ」「未来の世界ではある種のパラレルワールドを観測できるようになっているんだ」「それから、僕のバッテリーが切れてしまって動かなくなるという話もある。本来ならバッテリー交換するだけで良いんだけど、耳がなくなってしまっている僕は記憶のバックアップができないんだ。だから仮にバッテリー交換をして動けるようになっても、のび太君と過ごした期間の記憶が全て消えてしまう。僕の記憶がリセットされてしまうというわけ」「だから、別の宇宙、パラレルワールドでの話だよ。そこでは僕らはアニメのキャラクターとして生きている」「ドラえもんと・・過ごした時間は・・まるで、夢のようだったから・・」「いいかい。負けそうになったら、好きな人、愛する人のことを考えるんだ。しずかちゃんの優しさ、しずかちゃんの笑顔を思い出すんだ。彼女は君のことを認めてくれている。それはどういうことかを考えるんだ。いいかい。しずかちゃんの気持ちに応えるんだ」「ドラえもんと過ごした・・その全てが良い想い出だよ。ドラえもんとの想い出は絶対に忘れない・・。絶対に。だから・・、だから・・ドラえもんも・・、うっ」「だって面白くないんだもん。意味不明なんだもん。さすがにもうどうでもいいんだもん」「最後にその言葉を聞けて嬉しいよ、のび太君。今までありがとう。この世界に来て本当に良かった。のび太君に会えて本当に良かった」「いやだよ。本当は・・ドラえもんと別れるなんて・・いやなんだよ」「で、でも、それは・・、そのためにはドラえもんの道具がいるんだよ。僕にはどうしても道具が必要なんだよ。それが僕の心の支えなんだよ。道具があるから僕は勇気を持てたんだよ!立ち向かって行けたんだよ!」「でも、ある宇宙では僕たちは実際には存在していないことになっているんだ」「うん、怖い。それにあまり良い結末ではないよね。衝撃的ではあるけど」「なんか微妙・・。気になるけど・・別の世界での話でしょ?だから何なのって感じ」「僕だって戻りたくない。でも仕方ないんだ。どうしようもないんだよ」「いや、実は関係している。それに分からなくてもいいから聞いていて欲しいんだ。なぜなら、この会話はいずれ誰かに観測されることになっているから」「それは最高機密情報のひとつになっているんだ。だから僕も知らない」「さようなら・・、ドラえもん。そして・・本当に・・本当にありがとう」「例えば、のび太君、実は君は植物人間状態で入院しているって話がある。全ての物語が実は君の夢だったっていう話」「なんだか良くわからないよ。それになんでそんな別の世界の事がわかるわけ?」「そう。その世界でも、のび太君は途方に暮れる。嘆き悲しむ。でも、きっと記憶を消さずに僕を復活させる方法があるはずだと信じてそこから猛勉強を始めるんだ。そして、一流大学を卒業し、優秀な科学者になる。僕の構造を分析し研究して、ついに僕を元通りの状態で、記憶を消さずに昔と同じ状態で復活させることに成功する」「のび太君・・、大丈夫だよ。君の人生は必ずや素晴らしいものになる」「まあ確かに・・あくまでもパラレルワールドでの話だからね。ただ、面白いことに、その世界では僕たちの最終回、つまり僕たちがどうなったのかについて、いくつか別の話や解釈があるんだよ」「ちょ、ちょっと待ってよ、ドラえもん。りょうしなんたらなんて知らないよ。そんな話どうでもいいよ。ドラえもんが帰るのと何の関係もないじゃん」「また一緒に楽しい時間を・・・、また一緒に・・楽しい時間を過ごせるよね?」「何度ジャイアン達にいじめられても、そのたびに立ち上がって立ち向っていく勇気を持っているじゃないか。決して諦めない強い心を持っているじゃないか」「色々な出来事が・・あったよね。映画のような冒険に出たことも・・あったよね」「・・・そうかあ。でも・・もしかしたら、ドラえもんは未来ではなくて、その・・パラレルワールド?・・っていうところから来ていたりするのかもね」「別の言葉で言うと、誰かがあるものを見るまでは、それがいくつかの状態で同時に存在しているってことなんだ。簡単な例を挙げると・・・、シュレーディンガーの猫なんて言葉は・・・知らないよね?」「あはははは。もう、ドラえもんったら、からかわないで欲しいなあ」「ドラえもん!ちんぷんかんぶんだよ・・。何を話しているのかさっぱりだよ・・。」「うん。ある装置に猫が入っていて、その猫を観測するまでは、猫は生きた状態と死んだ状態のふたつの状態が同時にこの宇宙に存在しているってやつ。・・で、その猫を観測した時に初めて生きているのか死んでいるのかが決まるっていう・・」「意味不明でも構わないんだ。これは量子力学を含めた量子論全体、そしてそこから派生したパラレルワールドに関わることなんだ」「とにかく聞いて。・・で、そのアニメの中でも僕は未来の世界に帰ることになっているんだ」「え?・・で、でも、僕らはこうしてちゃんと存在しているじゃん」「そうだよ。だから未来の世界は、もう僕は必要ないって判断したんだ」「わかった。もしこういう話に興味があって、もっと詳しい内容を知りたいという方がいましたら、"量子力学" や "シュレーディンガーの猫"、"多世界解釈" とかで検索してみて下さいね」「あははは。またまたあ。ドラえもん、からかわないでよ。びっくりするじゃん。でも、そういう風に言うって事は少し長くなるんだね。ふーん。別にいいから、どれくらいの期間なのか正直に言ってよ」「仕方がないんだよ。未来の世界がそう決めたんだ。もう、のび太君には僕は必要ないって。未来の世界がそう決めたんだ。僕はその決定に従わないといけないんだ。これは仕方のないことなんだよ」「そうだよね。まあいいや。でね、シュレーディンガーの猫に限らず、量子力学における観測に関しては、ふたつの解釈があると言われているんだ。一般的な解釈と多世界解釈ってやつなんだけど・・」「大丈夫だよ。ドラえもん。僕はドラえもんがいなくても頑張れる。困難に立ち向かっていける。約束する。僕は強くなる。男になる。だから安心して欲しい」「そうなんだよ。だから未来の世界は僕を帰すことを決めたんだよ」「そしてそれは僕たちが存在したという証のためでもある。そのためにも話しておく必要があるんだ」「そうだよ。まったくもう。君はしずかちゃんが好きなんだろう?いつかは一緒になりたいと思っているんだろう?」「君はなぜかジャイアンやスネ夫、他の人たちからいじめられる。それは彼らが君のことを認めていないからだ。ナメなれているんだ。君をダメなやつだと思っているからだよ」「ぼ・・僕がドラえもんを?うーん、それは凄いけど別の世界での話なんだよね?・・実際はどうなの?ドラえもんを設計したのは誰なの?」「え・・?ちょ、ちょっと突然すぎない?それに・・なに?・・パラレル・・ワールド?」「でもね、君には誰かに負けたくないっていう気持ちがあるんだよ。逃げたくないっていう強い気持ちを持っているんだよ」「でも、いつでも君のことを認めてくれる、そして優しくしてくれる友達がいるじゃないか」「だって、ドラえもんがいなかったら僕は生きていけないじゃん。ジャイアンやスネ夫にいじめられたらどうすれば良いの?」「そんな・・。僕と過ごした大切な時間の記憶がドラえもんから消えちゃうなんて嫌だよ」「確かに君は泣き虫だし、いじめられたらすぐに僕に頼る。でもね、のび太君には誰にも負けたくないっていう気持ちがある。逃げたくないっていう強い気持ちを持っている。何度何度ジャイアン達にいじめられても、そのたびに立ち向かっていける。のび太君は前に進める勇気を持っているんだよ。諦めない強い心を持っているんだよ」「つまり・・何が言いたいかと言うと・・・、僕たちは今こうして生きているじゃない?」
その後、僕としずかちゃんは僕の家に向かった。パパとママに報告するために. しずか「私、のび太さんと結婚します。」 僕達が好きだった思い出の裏山で、僕はしずかちゃんと結婚する事を決めた.
5 of the novel series "大長編ドラえもん". ︎*。奇跡は小説よりいきなり♡ ︎*。Lion of Lions.咲都子 神さまに恩返しをしながら地球で笑って暮らそう♡ 神 for all⇄All for 神! 汝も隣人も人間も宇宙人も敵も味方も全部まとめて愛してる! しずか「私、のび太さんと結婚します。」 僕達が好きだった思い出の裏山で、僕はしずかちゃんと結婚する事を決めた. 結婚を経験している方であれば、わかっていただけるはずだ。結婚にあたって「どちらが土下座したか」は、結婚後の夫婦のパワーバランスに大きく影響を与えることを。結婚を懇願したほうが立場は低くなる。当然だ。光浦靖子曰く「勉強も運動もそこそこできるが、突出した才能がない」しずかにとって、この選択は賢明だった。情けなくて、何もできないのび太を夫にすることで、自分は一生「姫」でいられる。悪寒すら走る、異常にリアリティのある女の打算がここにある。この状況をタイムテレビで見ていた現代の少年のび太は、タイムふろしきで大人のび太となり、タイムマシンに乗ってしずかを助けに行く。しかし失敗ばかりで逆に結局しずかに励まされ、助けられる体たらく。ラスト、無事生還したしずかとのび太の会話が以下だ。編集者/ライター。1974年、愛知県生まれ。キネマ旬報社でDVD業界誌編集長、書籍編集者を経て2013年よりフリーランス。著書に『ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代』(PLANETS/第二次惑星開発委員会)、『セーラームーン世代の社会論』(すばる舎リンケージ)。編著に『ヤンキーマンガガイドブック』(DU BOOKS)、編集担当書籍に『押井言論 2012-2015』(押井守・著、サイゾー)など。『あまちゃんメモリーズ 文藝春秋×PLANETS』(文藝春秋)、および評論誌『PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』(PLANETS)に編集参加。おもな構成担当書籍に『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』(原田曜平・著、幻冬舎)、『パリピ経済 パーティーピープルが市場を動かす』(原田曜平・著、文藝春秋)がある。出版社時代の編集担当書籍は、『団地団 ~ベランダから見渡す映画論~』(大山顕、佐藤大、速水健朗・著、キネマ旬報社)、『成熟という檻「魔法少女まどか☆マギカ」論』(山川賢一・著、キネマ旬報社)、『全方位型お笑いマガジン「コメ旬」』(ラリー遠田・責任編集、キネマ旬報社)など。「サイゾー」「SPA! てかそもそもムリヤリのび太と結婚させられたしずかちゃんが可哀想だけどな ドラえもんがいなけりゃのび太の未来の嫁はジャイ子 52: 名無しさん@おーぷん 2017/07/29(土)14:33:24 ID:ujf