はじめに このテキストでは、百人一首に収録されている歌「大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ず天橋立」の原文、現代語訳・口語訳、品詞分解とその解説を記しています。作者は和泉式部の娘の小式部内侍です。この歌は、十訓抄や古今著聞集にも見られます。 !」という人気番組が放送されていました。この番組の中に「マジカルバナナ」という連想ゲームがありました。多くの中学生たちは、「てふてふ」が「ちょうちょう」であることを知っています。しかし、どうしてそう読むのかについては誰も知りません。「てふてふ」の謎を明らかにすることで、歴史的仮名遣いのルールを習得しましょう。某高校では、古典の先生が「形容詞の活用表はギザギザに覚えなさい」と言うそうです。この先生はなぜこのようなことを言ったのでしょうか?形容詞の活用表をテーマに、高校の勉強について考えてみたいと思います。古典文法や口語文法の問題では「の」の用法が頻出です。しかし、主格・連体修飾格・準体格・同格の区別は多くの生徒たちが苦手とします。そんな「の」の用法を、2016年のセンター試験を例に考えてみましょう。「なれ」「つま」「はるばる」「き」は、「衣」という言葉から連想される縁語です。しかも、これらの言葉は掛詞にもなっています。漢文では、重要句法の1つに、「~させる」という意味の使役があります。この使役について、注意すべき2つのポイントを紹介します。句法を正しく理解して、白文を書き下し文にしたり口語訳したりするスキルを磨きましょう。 古文で学習する「和歌の修辞」。その代表格である枕詞・序詞・掛詞・縁語・本歌取りについて、分かりやすく解説します。最後のページでは、センター試験の過去問を題材にして、和歌の修辞に関する問 …
立ちわかれ いなばの山の 峰におふる まつとしきかば 今帰り来(こ)むくだらないですが、口語訳にはきちんと掛詞の2つの意味を反映させます(以下の太字下線部が掛詞の訳)。「マジカルバナナ」のような言葉遊び(和歌の修辞)が縁語なんですね。有名な例を見てみましょう。言葉遊び(和歌の修辞)がたくさん盛り込まれた、在原業平らしい和歌です。古文が読みにくいのは、主語や目的語が省略されているからです。そうした省略箇所を把握して古文を正確に読み解くためには、敬語の理解が不可欠です。尊敬語と謙譲語から省略箇所を補うテクニックを紹介します。寒いオヤジギャグっぽいですが(笑)、当時の貴族たちの間では高尚な技巧と考えられていました。実際に例を見てみましょう。「なれ」 → 「慣れ」(慣れ親しむ)と「褻れ」(よれよれになる)いな → 「往(い)な」と地名である「因幡(いなば)」の「いな」1990年代、日本テレビ系で「マジカル頭脳パワー! この歌、知的な美女が詠んでいると考えると(実際に小町はそうだったでしょう)、たまらなく格好良く感じられるんですよね。嗚呼、私が平安時代にいたなら、きっと小町様の良い話し相手になって差し上げられたであろうに……、とかなり妄想が入ってきたので、今日はこの辺りで。受験生に覚えておいて欲しいのは、和歌でこの語が用いられるときは、ほぼ間違いなく「眺め」と掛けられている、つまり「長雨」「眺め」が掛詞になっているという点です。きちんと勉強している受験生には、あまりにも常識的な話なので書くのが申し訳ないぐらいの話ですね。本当によく雨が降りますね。9月の秋雨には風情があるとはいえ、こう毎日続くとウンザリです。そんなわけで、受験生は「眺む=物思いに耽る」と覚えることになるんですが、ここまで説明すると、「長雨」と「眺め」が掛詞になりやすいということはご理解いただけるでしょう。「視線をどこかにやっている」という共通点はあるものの、古語の場合はそれが従たる動作・背景的な動作になっていて、「物思いに沈む」という方が主たる動作になっていると考えてもらうとよいでしょう。和歌大意「花の色はすっかり褪せてしまったわ。むなしく日々を過ごし、長雨をぼんやり見ながら、物思いに耽っている間に。」しかし、ホントに早くこの長雨終わってくれませんかね。多忙な現代人たる私には、「眺むる」ヒマがございません……。表面的には、花が褪色してゆくことを嘆いているんですが、本心は、大変な美人と言われた自らの美貌が衰えてゆくことを嘆いているわけです。それを先程述べた「ながめ」の掛詞が補強する形になっていて、とても上手い和歌だと思います。実は「ふる」も「経る」と「降る」の掛詞になっていて、いかにも古今集らしい作品。
・掛詞の代表的な和歌 :「あをによし」→「奈良」、「ちはやぶる」→「神」、「ひさかたの」→「光」・「月」、などなど。 序詞(じょことば・じょし) =主に「7音以上」で、特定の語を導き出すことを目的として、作者がその歌のためだけに即興的に自作した1回限りの表現技法。
掛詞・縁語 が多く使われる。 推量・疑問・反語表現が多く、詠嘆には 「かな」 を用いる。 (3)代表的歌人 紀貫之 紀友則 凡河内躬恒 壬生忠岑 素性法師 在原業平 伊勢 . 受験生に覚えておいて欲しいのは、和歌でこの語が用いられるときは、ほぼ間違いなく「眺め」と掛けられている、つまり「長雨」「眺め」が掛詞になっているという点です。きちんと勉強している受験生には、あまりにも常識的な話なので書くのが申し訳ないぐらいの話ですね。