コロナは社会を大きく揺さぶったけど、変えなきゃいけないことも浮き彫りにした。少なくとも日本にとっては、いくつも大きな“気づき”があった。 というわけで、今日はグループウェア開発会社「サイボウズ」から届いたこんなcm。 サイボウズのテレワークについて、個別のご質問は『テレワークホットライン』にお問い合わせください。 オンラインでのマネジメントやコミュニケーション方法など、サイボウズのテレワークノウハウをお伝えします。お気軽にお問合せください。 サイボウズ株式会社のプレスリリース(2020年7月20日 11時00分)[がんばるな、ニッポン。]テレワーク推進のテレビcm動画が公開8日で10万回再生突破 コロナショックにより、少なからぬ企業が「在宅勤務」にシフトしたことで、改めて働き方が大きく問われている。会社と個人の関係、出社することの意味、マネジメントスタイルや職場内でのコミュニケーションのあり方。そして評価制度まで……。各企業の経営・マネージメント層に取材し、在宅シフトで新たに気づいたこと、コロナ後に向けての経営課題を聞いていく。サイボウズでは、2月28日から原則、在宅勤務に切り替えました。早い方だったと思います。密を避けて時差出勤しても、結局、お昼には混んでいる場所に食べに行ったら、意味がない。濃厚接触を避ける原則を会社のメッセージとしても明確に打ち出すために、前倒しで在宅勤務を決めました。第1回目は、グループウェア開発会社のサイボウズ・青野慶久社長。副業OKで働き方も自由、リモートワークを他社に先駆けて進めてきた同社。リモートワークには日頃から全社員が慣れている。それにも関わらず、リモートワークのあり方について「大反省中」だと言う。なぜなのか。なぜ、わざわざ公開しているのかというと、社員から、「オンラインだと雑談や雑音が入ってこない」「ほかの部署の話が聞こえてこないので、そこが逆に問題だ」という声があがったから。「じゃあ、ラジオ番組を作っちゃえば?」ということで、この形にしました。青野さんはホテル出勤で子ども乱入問題を解決。難しい社員には子育て休暇の取得を無制限にした。4月1日には、約40人の新卒・キャリア入社社員の入社式もオンラインで実施しました。人事部が本番の6日前にZoomで行うと決めたのですが、予想以上に盛り上がり、楽しかったです。その後の中途入社もオンラインで滞りなく行われています。人事と相談して僕の方から「子育て重視で」と伝えたうえで、子どもの休校、休所などに伴う特別休業の取得を無制限にしました。集中できないなら、いっそのこと休んじゃったほうがいいですからね。一方、リモートで参加している人たちは、声が聞き取りにくかったり、ポロッと言ったことを聞きもらしてしまったり。些細なことのように見えて、そのせいで、微妙にお互いに壁ができ、リアルで参加している人より、知らず知らず、リモート側は発言の機会を失いがちだった。青野慶久(あおの・よしひさ):サイボウズ代表取締役社長。1971年生まれ。大阪大工学部卒業後、松下電工(現パナソニック)を経て、1997年にサイボウズを設立し、取締役副社長に就任。2005年から現職。離職率を6分の1にしたほか、副業の許可、リモートワーク推奨など働き方改革を積極的に進める。4月1日にオンラインで行った行った新卒・キャリア入社社員の入社式の様子。長期間の完全リモートは、組織内の人間関係や信頼関係を築くには無理だと言う人もいます。その考えを否定はしません。全員がオンラインになったことで、本当の意味で立場が平等になり、誰もが発言しやすくなったという(2017年9月撮影)。もとから仕事に関わることは研修も含めて、すべてオンラインに載っており、日報もオンライン上に書き込む。他の社員がそれに対してコメントしたり、フォローしたりして指導するシステムになっている。これまでの延長線上で仕事はすべてでき、オンラインでのアウトプットの見せ方もみんなわかっています。それで今更ながら、大反省中なんですよ。リモートワークを推奨するなら、まず僕自身がもっとオンラインの側、リモートワーカー側の立場に身を置いていなければいけなかった。安易に出社できないこの状況にならなければ、気づかなかったでしょう。僕以外にも、各部署の社員が「今日、何時からここでオンライン・ランチ会します」と場所と時間を公開しています。部署の会議も公開にしていて、ある意味今は、リアル・オフィス以上にたくさんの情報にアクセスできる状態になっています。そもそもサイボウズでは、経営会議だろうが何だろうが、誰でも参加できます。すべてがオープン。すべての情報をオンラインに載せている。だから、リモートワーカーとの情報格差は少なく、上下関係もフラット。僕だけじゃなく、リモートワーカー自身も少なからず、そう思っていたと思います。でも、勘違いだった。ただ、マネージメントをする側の人事部は、新入社員全員を把握するのに、少し時間がかかってはいるようです。毎年、ちょっと離れた場所で合宿をするのですが、1日一緒にいると、プライベートも見えて人格も見えてくる。コロナが落ち着いたら、1回どこかのタイミングで合宿してもいいのかもしれません。どういうことかというと、まず、僕自身の働き方に問題があった。サイボウズの地方拠点の社員に言われたんです。「本当に“全員”がオンラインになったので、ものすごく働きやすくなった」と。正真正銘、僕を含めた全員がオンラインになったことで、本当の意味で立場が平等になり、俄然、発言しやすくなった。つまり、情報格差や力関係の差が思っていた以上にまだあり、ストレスになっていたことに全員が改めて気づいたんですね。妻(の仕事)が自宅待機で専業主婦状態になったタイミングで、妻のほうから「ホテルを借りたら?今安いよ」と提案してくれたので、ホテル出勤を試してみています。今のところ、めちゃくちゃ快適。近所のホテルを連泊で借りるのですが、夕方には家に帰り、実際には泊まりません。この環境を考えたら、まぁ、許容範囲のコストかなと。つまり、僕らはもっと進化できる。そのためには、僕がさらにオンラインに入り込み、拠点も時間も関係なく、僕の話を聞きたい人にメッセージを伝えられるようにしていかねばと思います。これまで、リモートワークと言いつつ、僕自身は何だかんだと出社をしていました。昭和の人間なんですね。各部署がオンライン・ランチ会の場所と時間を公開することで、リアル・オフィス以上にたくさんの情報にアクセスできる状態に。僕個人に関しては、我が家には遊びたい盛りの子どもが3人いるので、これが大変。世の共働きのお母さん・お父さんが本当に今、悩んでいると言われますけれど、我が家も同じ。住んでいるマンションも特別広いわけじゃないし、5人でいると煮詰まってくる。暇を持て余した子どもたちが、僕が仕事をしている部屋に何かと入りたがるんですよね。単純にセキュリティーの問題です。コールセンターは入退室の管理から防犯カメラまで設備が行き届いています。だから、顧客の契約状況や利用状況などの機密情報が入ったデータベースを見ながら対応できる。今はリモートなので、電話対応は諦めて、データベースへのアクセスを制限しながらメールやウェブで問い合わせを受けていますが、電話のほうが通じやすいこともあるでしょう。その点は僕らにとって、営業の機会損失を生んでいるかもしれません。ここは課題ですね。僕はもう今、大反省しているんです。リモートワークは、他社よりずっと積極的に進めてきたつもりでした。東日本大震災のときも「在宅シフト」の経験があり、リモートにしたい人はいつでもできる体制を整え、必要な機器も何でも提供してきた。でも今回のことで実際は全然、リモートワークを正しくできていなかったことがわかりました。リモートワークをうまく回す基本は、デジタルに全部、情報を載せてしまうことです。自分のスケジュールから会議でどんな話をしているのか。全てをドカンと載せ、かつ、それら全てを公開する。今まで、十分、情報開示してきたつもりでしたが、開示できる余地がまだまだ残っていました。でも、ホテルも借りられない人のほうが、社員にはずっと多い。特に中途社員の方は、入社したばかりなのに、子どもに乱入されて思うように仕事ができず、ストレスを感じている人もいるかもしれない。しっかりケアしていかないといけない部分です。遊び心が溢れるサイボウズのオフィス。今回の在宅ワークを通じて、青野さんは「出社」自体の意味を考え直している(2017年9月撮影)そのせいで、気づかないところで、大きな問題を生んでいたんです。特に会議。僕が主催する会議は、誰でも参加可能なので、人数の入る広めの部屋で開催。その様子をビデオ会議で全社に公開することで、地方などリモートでも参加可能な形にしていました。入社式まではできても、研修や指導となると「オンラインだけではできないのでは?」という声を世間ではよく聞きますが、そこもうちは困ってはいません。日頃、全く接点のない部署の会議にも好きに参加できるので、部署間の見えない壁を取っ払う、いいチャンスになるのではと期待しています。今後は、経営会議も社内放送の形にしようかと考えています。でも、信頼の積み上げ方もオンラインなりの方法があるんじゃないかな。全員がオンラインになったことで、地方の社員からは「すごく働きやすくなった」と言われたという。最初にも言いましたけど、今回思ったのは、むしろ、我々は、オンライン側にもっと寄って、「オンラインでどうするか?」の工夫をすべきだということ。しかし、この形だと実際には思っている以上に情報格差が生まれてしまう。なぜなら、リアルの会議室で参加している人たちは、僕の様子がよく見え、僕の声もよく聞こえる。
当時は「在宅勤務を終了後、勤務時間と業務内容を報告する」というルールを実施していました。という結果から、Webカメラの貸出やスケジュールの共有方法の統一を進める等が課題として上がります。「100人100通りの働き方」を可能にするための考え方や、コミュニケーションツールの活用方法を記載しています。サイボウズでは、在宅勤務・テレワークの制度を段階的に導入してきました。▲働く場所・時間の突発的な変更を当日に申請できるようにした際の、社内向けアナウンスこうした環境・制度の検討もしつつ、試験導入の延長が決まります。延べ19人が在宅勤務を行ったタイミングで、中間評価を行いました。部署によって使っているツールは異なりますが、スケジュール共有はGaroon、メール共有はメールワイズ、顧客管理や社内FAQ、各種申請、プロジェクト管理など多くの情報共有はkintoneで行なっています。オンラインとオフラインの情報格差をなるべくなくすようにしています。サイボウズのテレワークについて、個別のご質問は『テレワークホットライン』にお問い合わせください。□グループウェアやチャットなど、オンラインのコミュニケーション基盤がある▲当時、全社ミーティングで在宅勤務の試験導入を告知した際のスライド資料試験導入中は「月4回まで」だった在宅勤務制度は、月4回を越えてもOKとなり、そのうち働き方として選択/宣言する制度になっていきました。テレワークでも業務を円滑に進めるためのチェックリストを作成してみました。あくまで一例ですが、参考になれば幸いです。社内からも広く意見を募ったところ、「制度を上手く活用して生産性を上げられた」という前向きな声も挙がりました。試験導入にあたっては、「成果の判断」「勤務時間や働き方の管理」「コミュニケーションコストの増加」「情報漏洩のリスク」「モラルの低下」など、業務効率の低下が懸念として上がりました。しかし、「会社で働いているときに成果報告は求められないのに、なぜ在宅勤務のときだけ求められるのか」とモヤモヤする声もあり、在宅だからといった特別なルールはなくなっていきました。「一部の人だけOK」「理由がないとダメ」としてしまうと、利用する人も利用する必要が無い人も使いづらくなってしまいます。自宅以外で仕事をする際は、公共のネットワークは安全性が低いこともあるため、会社支給スマートフォンでのテザリングを推奨しています。しかし、「制度を使っている人が、本当に仕事をしているか分かりにくくてモヤモヤする」という不安な声もあり、これらの意見も踏まえて、アップデートを重ねていきました。Web会議にはZoomを利用しています。画質・音質・安定性ともに高いため、社員も積極的に活用しており、最近では社内の打ち合わせだけではなく、社外の方との打ち合わせやWeb面接、オンラインセミナーにも活用しています。「上長の承認を得れば、月4回まで在宅勤務できる」というルールを3ヶ月間、全社員を対象に試験導入します。東日本大震災が発生。交通機関の混乱や原発事故により、出社に不安を感じる社員が続出しました。そこで、サイボウズが10年間のテレワークで得た経験を共有するWebサイトを利用者自らが積極的に情報をシェアすることで相互作用が働き、強度な監視が不要になります。そのため、これらを可能な限り低下させないように試験導入が開始されました。・在宅勤務用モニター(オフィスで利用するモニターとは別途支給)もちろん対面で話した方がいい場合もあるので、状況に応じて出社したり、Web会議システムを利用したりと、手段を組み合わせるようにしています。※サイボウズのグループウェアは、30日間無料で利用できますので、緊急の期間限定の共有場所としてもお使いいただけます。また、学校法人、官公庁などの公共団体、NPO法人や任意団体でのご利用には、特別のライセンスもご利用いただけます。詳しくは下記をご覧ください。同じ時間を共有できるとき(=同期)に便利なテレビ会議・チャットなどのツールと、時間がずれているとき(=非同期)でも、情報を体系立てて追うことができるグループウェアなどのツールの両方を用意できると、コミュニケーションが取りやすくなります。オンラインでのマネジメントやコミュニケーション方法など、サイボウズのテレワークノウハウをお伝えします。お気軽にお問合せください。テレワークを始めとした、多様な働き方を推進するためのヒントを集めた記事を公開しています。テレワークを始めとした、多様な働き方を推進するためのヒントを集めた冊子を公開しています。対面で話せるほうがスムーズな業務も一部ありますが、通常時からグループウェアを始めとしたクラウドサービス上での情報共有を中心に行うことで、テレワークをするときにも環境ができるだけ変わらないようにしています。メンバーの発言(書き込み)に対して「いいね!」などのリアクションや、コメントをきちんとすることを心がけたり、関連する情報を積極的にこちらからシェアしたりすることで、テレワークをしているメンバーがオンライン上で発言しやすくなり、スムーズなテレワークの実現につながります。▲突発的な在宅勤務が可能となる「ウルトラワーク制度」について社内で議論した際の資料これで、在宅勤務を始めとした一時的な働く場所の変更は、上長・チームでコミュニケーションをした上であれば、ほぼ自由となりました。テレワークを達成する3つのステップや、8つの課題と解決策を紹介しています。ここまでで一部抜粋してご覧いただいた各スライド資料を、下記にて公開しております。社内で検討を進める際の参考にご活用いただけますと幸いです。※ お問合せ手段はメール・電話・テレビ会議からお選びいただけます。およそ10年に渡ってテレワークを実践してきたサイボウズでは、現在はどのようにテレワークを行っているのか。職種別に、さらに具体的なノウハウをお伝えします。▲震災当時、社長の青野が「東京オフィスの社員は全員、在宅勤務」を臨時で指示した書き込み快適・安全なテレワークを実現するために、サイボウズ社内で実践している主なポイントを絞ってご紹介します。□会社支給のノートPCには業務が可能な最低限のソフトウェアが入っている□会社支給のスマートフォンはテザリングが可能で、通常の業務をするのに支障がない通信容量で契約されている。もしくは社員の自宅のインターネット環境が整っている。なお、社員の私物PCはあまり業務には利用されていません。私物PCをセキュリティ基準を満たした上で業務で本格的に利用するには、ICカードリーダーの接続が必要になったりと、ハードルがやや高いため、現在は会社から支給したPCが使われることが多いです。その後も、長期的に生産性を維持向上できる働き方の検討を進め、働きたい時間と場所を9分類の中から選ぶ「選択型人事制度」が始まります。