語根の「form」は、「形づくる(form)」という意味のラテン語「formare」が由来だ。語根の「duct」は、「導く(lead)」という意味のラテン語「ducere」が由来だ。「reform」は、「再び(again)」の意味の接頭語である「re-」と「form」が結合して「改良する」という意味になった。語根の「mit」は、「送る(send)」という意味のラテン語「mittere」が由来だ。「reply」は、「re-」に、「折り重ねる(fold)」を意味する語根である「ply」が結合して「重ね戻す → 返答する」という意味になった。「subscribe」は、「sub-」に、「書く(write)」を意味する語根である「scribe」が結合して「下に書く → 署名する → 定期購読する」という意味になった。接頭語の「in -」は、「中に(in, into)」という意味を表す。語根の「sta, st」は、「立つ(stand)」という意味のラテン語「stare」が由来だ。語根の「press」は、「押す(press)」という意味のラテン語「pressare」が由来だ。このコラムでは、そのような最重要語源20(語根10・接頭語5・接尾語5)をご紹介する。この20の語源で合計256個の重要単語(派生語含む・重複除く)の意味が理解できるようになる。英語の語源は決して難しくない。中学校で習う単語を総おさらいしたら、是非語源を意識して単語を覚えることをお薦めする。第二言語習得研究や脳科学(神経科学)研究からも、大人にとって効率的な英単語の学習方法だと言われているからだ。接頭語の「sub-」は、「〜の下(under)」という意味を表す。「justify」は、「正義(right)」を意味する語根である「just」に「-fy」が結合して「正義化する → 正当化する」という意味になった。⇨ container /kəntéinər/ (contain + -er[名詞接尾語:人]) → (名) 入れ物, コンテナ語源を意識して学習すると、語彙数を一気に増やすことが可能だ。語根の中には、20以上の重要単語の根幹を成すものが少なくない。そして、接頭語や接尾語はそれ以上の数の単語の一部をなしている場合が多い。つまり、知っている語源の数が増えると、その何倍、何十倍の数の単語の意味を理解できるようになるのだ。⇨ introduce /intrədjúːs/ (duce = duct[語根:導く]) → (動) 紹介する「接頭語」は、「語根」の前に付き、補足的な意味を加える役割を担う部分だ。「接頭辞」ともいう。ここでは、初心者がまず覚えて頂きたい最重要接頭語5個をご紹介する。「stable」は、「sta」と「〜できる」の意味の接尾語である「-able」が結合して「立つことができる → 安定した」という意味になった。⇨ expression /ikspréʃən/ (express + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 表現このコラムでは、語源ごとに、例として重要単語のみを掲載したが、これら20の語源を含む単語はまだまだ沢山ある。加えて、例としてご紹介した重要単語には、ここで取り上げなかった語根も多く含まれていることに気づいたはずだ。それらを学習していけば、理解できる単語が数珠つなぎに増えていくことになる。丸暗記が苦手な大人の脳は、語源を意識すると英単語が覚えやすくなる。大人の脳は、ものごとを関連付けると記憶に定着する性質を持っているからだ。まずは、あまり気負わずにこのコラムを流し読みしてほしい。「へ〜、面白そう。」と思えたらしめたもの。一方で、逆に苦痛に感じる方もいるだろう。その場合は、無理に覚えようとしなくていい。語源を知らなくても単語は覚えられる。語源を知っていれば、数十・数百の単語をお互いに関連づけて覚えることが可能だ。大人の脳にとってやさしい単語学習法といえるだろう。英単語は「接頭語」「語根」「接尾語」の3つのパーツから構成されている。それら3つのパーツの総称が「語源」だ。英単語の根幹の意味を成す「語根」は、もともとラテン語やギリシャ語などから派生してきた。その「語根」の前後に、「接頭語」と「接尾語」と言われるパーツが付いて、様々な単語が生まれたのだ。接尾語の「-al」は、「〜に関する」という意味を表す形容詞接尾語。「capable」は、「つかむ(take)」を意味する語根である「cap」に「-able」が結合して「つかむことができる → 能力がある」という意味になった。「import」は、「中に(in, into)」の意味の接頭語である「im = in」と「port」が結合して「輸出する」という意味になった。⇨ include /inklúːd/ (in-[接頭語:中に]+ clude[語根:閉じる]) → (動) ~を含める「transmit」は、「〜の向こうに(across)」の意味の接頭語である「trans-」と「mit」が結合して「向こうに送る → 伝える」という意味になった。「express」は、「外に(out)」の意味の接頭語である「ex-」と「press」が結合して「外に押し出す → 表現する」という意味になった。「introduction」は、「中に(inward)」の意味の接頭語である「intro-」と「duct」、そして「こと」を意味する名詞接尾語である「-ion」が結合して「中に導くこと → 紹介」という意味になった。「manual」は、「手(hand)」を意味する語根である「manu」に「-al」が結合して「手に関する → 手の」という意味になった。語根の「ject」は、「投げる(throw)」という意味のラテン語「jacere」が由来だ。「renovate」は、「再び(again)」を意味する接頭語である「re-」と「新しい(new)」を意味する語根である「nov」に「-ate」が結合して「再び新しくする → 修理する」という意味になった。語根の「vis」は、「見る(see)」という意味のラテン語「videre」が由来だ。「project」は、「前へ(forward)」の意味の接頭語である「pro-」と「ject」が結合して「前へ投げる → 計画」という意味になった。語根の「spect」は、「見る(look)」という意味のラテン語「specere」が由来だ。⇨ transmission /trænsmíʃən/ (transmit + -ion[名詞接尾辞:こと]) → (名) 送信接尾語の「-fy」は、「〜化する」という意味を表す動詞接尾語。接尾語の「-able」は、「〜できる(able)」という意味を表す形容詞接尾語。語根の「tain」は、「保つ(hold)」という意味のラテン語「tenere」が由来だ。語根の「port」は、「運ぶ(carry)」という意味のラテン語「portare」が由来だ。「televison」は、「遠く(far)」の意味の接頭語である「tele-」と「vis」、そして「もの」を意味する名詞接尾語である「-ion」が結合して「テレビ(放送)」という意味になった。「接尾語」は、「語根」の後に付き、補足的な意味を加える役割を担う部分だ。品詞(名詞・動詞・形容詞など)を決める役割も持つ。「接尾辞」ともいう。ここでは、初心者がまず覚えて頂きたい最重要接尾語5個をご紹介する。知らない単語でも、語源を知っていれば意味を想像できるようになる。つまり、「接頭語」「語根」「接尾語」の3つのパーツのそれぞれの意味を知っていれば、それを組み合わせたときの単語のニュアンスが理解できるようになるのだ。子ども(臨界期前)の脳は丸暗記の能力が高いので、驚くべきスピードで単語を覚えていくことができるが、その丸暗記の能力は年齢とともに低下することがわかっている。一方で大人の脳は、事象と事象が連合されると普通より弱い刺激でシナプスが活性化する性質をもっている。シナプスが活性化すると記憶力が向上する。つまり、大人の脳は、他の知識と関連づけて物事をよく理解したときだけ、それをしっかり記憶するのだ。接尾語の「-ful」は、「〜に満ちた(full)」という意味を表す形容詞接尾語。「exclude」は、「ex-」に、「閉じる(shut)」を意味する語根である「clude」が結合して「外に出して閉じる → 〜を除く」という意味になった。⇨ renovation /rènəvéiʃən/(renovate + -ion[名詞接尾辞:こと])→ (名) 修復、刷新上記「import」以外の、語根「port」を含む最重要語をご紹介する。重要な派生語も記載したのでまとめて覚えると効率的だ。「contain」は、「共に(together)」の意味の接頭語である「con- = com-」と「tain」が結合して「共に保つ → 含む」という意味になった。「complete」は、「com-」に、「満たす(fill)」を意味する語根である「ple」が結合して「共に満たす → 完了する」という意味になった。「suspect」は、「〜の下(under)」の意味の接頭語である「sus- = sub-」と「spect」が結合して「下から見る → 疑う」という意味になった。「instruct」は、「in-」に、「築く(build)」を意味する語根である「struct」が結合して「心の中に築く → 指導する」という意味になった。接尾語の「-ate」は、「〜にする」という意味を表す動詞接尾語。「careful」は、「care(注意)」を意味する単語に「-ful」が結合して「注意に満ちた → 注意深い」という意味になった。接頭語の「com-」は、「共に(together)」という意味を表す。⇨ completion /kəmplíːʃən/ (complete + -ion[名詞接尾辞:こと]) →(名) 完了接頭語の「re-」は、「戻す・再び(back, again)」という意味を表す。 ここでは、ラテン語由来とギリシャ語由来の1~10までと100、1000、10000の数を表す主な接頭辞を挙げる。 以下の接頭辞は英語の単語(一部形が変化)や様々な表現としても使われており、例えば倍数詞(「倍」を参照)や命数法、元素の系統名、暦の上での月名(9月~12月)などに使用されている。
接頭辞・接尾辞 松野町夫(翻訳家) 日本語の接頭辞(=接頭語)とは、ある語の頭に付けて意味を変えたり特定の意味を添えたりするもの。単独では用いられない。「ま正面・か弱い・不健康・亜熱帯」の「ま・か・不・亜」など。