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児童生徒から見た場合は、アナログに加えデジタルという「選択肢」が増えただけだ。先進校ではあたかもコンパスや分度器のような文房具の一つのように、シーンに応じて使い分ける生徒の姿を見ることができる。しかし、有ると無いのでは効率が大違いなのだ。余談だが、前述のAirPlayは生徒がiPadを持つ際にも強力な武器になる。筆者は以前、とある学校で行われた発表会の際に、生徒がAirPlayを使って報道陣や来賓の前で発表を行っている様子を見た。会場内のプロジェクタにはAppleTVが接続されており、生徒が入れ代わり立ち代わり、AirPlayで自分のiPadの映像を飛ばして発表しており、その入れ替えが極めてスピーディーであった。もし有線だと、プロジェクタ付近まで移動しケーブル接続、発表、終わったらケーブル抜去、次の人がまたプロジェクタに向かい…と、かなり時間を要していただろう。同様の事例は全国で多数ある。また、生徒児童は教員よりもタブレットや電子黒板などのICT機器の使い方に慣れるのが早い。 このため、ICT機器がなんらかの問題や、制御不能な事態を引き起こす(ひいては授業が成立しなくなる)ことを恐れ、ICTの利用を制限したくなるケースも多いだろう。そういう意味で、常に生徒よりもICTに詳しくなければいけない、という強迫観念に苛まれる教員もいるかもしれない。重要なのはこうした生徒の良い使い方を教員が取り入れたり、それを編み出した生徒児童を認めてあげたりすることだ。あくまでICTは「各単元ごとの目的を実現するための補助ツール」と捉えておくと良い。その目的が満たせるのであれば、ICTを活用する主体が生徒にあっても問題なく、生徒から先生が教えて貰えばいいし、場合によってはよく使うICT機器の操作を生徒に任せても良い。ここでもう一つ袖ヶ浦高校の事例を紹介すると、同校のある社会科教員は、地理の授業中にGoogle Earthを使うことで海外の土地のイメージが一気に膨らむという事実を知っているものの、Google Earthでその場所を探したり、操作したりするのは生徒に任せているという。この事例は教員が必ずしもICTに詳しくなく、操作が苦手であったとしても、生徒に任せた方が授業が滞りなく進み、かつ目的が果たせているのであれば、必ずしも教員が全てを掌握する必要がないことを示している。例えば、現在進行している高大接続を目的とした大学入試改革に関連して、初等中等教育でも「答えのない課題に対して仮説を設定し、自分たちで考察して、一つの解決策を考案するといった”アクティブ・ラーニング”」の大幅増大や、「英語を読む、書く、聞く、話すの4技能で評価すべきである」といった答申が中教審より出されている。タブレットを使って個々に教室内で調べ物や、調べた内容のまとめが行えることはアクティブ・ラーニングの敷居を大幅に下げることにつながる。また、タブレットは語学とも相性がよく、英語のリスニングやスピーキングのトレーニングを容易にするアプリも存在する。これは紙のテキストでは絶対にできない芸当だ。もちろん、一人ずつのスキルを教員がつぶさに確認できれば理想的だが、時間的な制約からそれは難しいだろう。実は、電子黒板が導入されてしばらくした後、想定した通りに活用されないという課題が発生した。もちろん、活用が進んでいる学校も全国には多数あるのだが、一部の学校ではしまわれたまま埃を被った状態だった。かなり大型の資金が投入されたにも関わらず活用が進まず、関係者は頭を悩ませたという。ところが、近年のタブレット導入を契機として電子黒板が再注目されたケースが見られる。タブレットの画面に映っている教材や写真・動画を大きい画面で見せるという目的に合致したからだ。つまり、時間的・距離的制約を超えたり、双方向性を活用して協働学習を行ったり、瞬間的に情報を共有したりといった性質がアナログよりも優れていると言える。音声や動画などを扱えることや、それらをうまく使うことで授業時間の大幅な「時短」が実現することもある。逆にこれらを必要としない授業は、今まで通りアナログで良いとも言える。先の記載を見ると、「教員は皆、情報の海を先導できるような高い情報リテラシーが必要になる」と読めてしまうかもしれないが、必ずしもそういうわけではない。確かに、教員がSNSやWebツールなどインターネットサービスの最新動向を知っていれば、「その時点において」の効果的な誘導や指導ができると思われる。だが、ICTの世界の移り変わりは非常にめまぐるしく、その時点での常識が1年後には書き換わっていることも少なくない。Copyright © 2009-2015 EDUPEDIA.