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吉川晃司が翔太郎の師匠(おやっさん)=仮面ライダースカルとして登場。 そのハードボイルドな人間性はファンからの人気も根強い。 ディケイドとWの両方を1度に味わうことができ、初心者にもオススメの1 … 1: 2020/05/03 19:01:53 おやっさんポジションスレゼロワンにも出すべきだよね大人の立場でアルト支える人を 4: 2020/05/03 20:13:11 本来なら副社長がそうなるはずなんだけどねぇ… 「ああ、手術前にあった証拠隠滅用の自爆装置も取り外したし、自己修復機能及び生命維持機能も今回の手術で正常に機能している。でも数日は車椅子での移動だな。」藤兵衛はいきなり滝を殴った。これには楯無は愚か千冬さえも唖然とした。「儂らが守ろうとした世界は・・・・こんなものだったのかのう・・・・」「何を言っとるんだ！たった一つの命を粗末にしようとするんじゃない。」「・・・・・・何で助けたんだ・・・・・これで気が楽になると思ったのに・・・・・・」「話は大体わかりました。ところで立花さん私たちに協力していただけるでしょうか？」すると一文字の姿はたちまち二号ライダーへと変わる。一夏もストロンガーに変身するが一瞬困ったような動作をする。「いいえ、今回は本郷たちにも協力してもらおうと思って・・・・・」「ああ、こっちにもいろいろ事情があるんだよ。千冬ちゃんにもな。」ストロンガーは床に向かって拳を打ち込む。するとそこから稲妻が走り、少し離れた場所にいるライダー２号に向かって行く。２号ライダーは一瞬怯むがすぐにジャンプをして距離をとる。女性は着地した衝撃で足を抑えていた。本郷たちは思わず唖然としていたが千冬は何とも言えない顔で彼女を見ていた。２号ライダーのキックはストロンガーに直撃し、壁に激突する。その瞬間に変身が解け、一夏の姿へと戻る。「心配するなよ、俺だって周りから千冬姉と比べられて諦めがついちまったんだから。要は目の前の壁のせいで周りが見えなかったんだよな？」「絶縁体で作った手袋だ。これをはめていれば人に触れても感電死させる心配もないし、普段通りの生活ができるようになる。色はとりあえず君に合わせたつもりだったんだが・・・・・・気に入らなかったかい？」滝は車である場所へと向かっていた。場所は更識家からかなり離れており、すぐ近くに海がある。藤兵衛はご立腹な状態で買い物袋を持ちながら帰り道を歩いていた。そんな中道路の端っこで人影があったことに気が付く。よく見ると髪の長い女性で雨なのにもかかわらず傘を持っていなかった。おかげで彼女はすっかりずぶ濡れの状態になっていた。だが藤兵衛が気になったのは彼女の目だった。彼女はまるで死にたいというかのように冷たい目をしていた。ちなみに車に乗っているのは滝と楯無だけではない。後ろの席では虚と乗ってからずっとブツブツと言っている彼女の妹である本音がいる。虚の話ではたまには外の空気を吸わせるべきだと判断してでのことだ。滝は思わず大声で言う。それを聞いた瞬間千冬は悲しそうな顔で答える。「彼女は当然首を横に振った。儂はさらに言ってやったよ。『だったらそいつらの分まで生きて行こうとするのがお前に与えられた義務じゃないのか？』って。そしたら、どうすればいいのかわからないと言ったんだ。だから儂はその答えが見つかるまでここで暮らすといいって言ってやったんだ。」「私・・・・・正直言ってあの家に居場所がないって思っていたんです。」藤兵衛は店の中でバイクの整備をしながら新聞を読んでいた。ここ数年、世界は表上では平和に見えるが藤兵衛にとっては複雑なものだった。今の世界を見て裏で組織と戦って来た彼らはどう思うのだろう？彼はそう思いながら季節外れのどしゃ降りの雨を眺めていた。二人の隣では本音が黙って珈琲を飲んでいる。それを見た虚も飲み始めるが楯無は飲みながら作業をしている千冬の方を見る。そこへ珈琲を持ってきた藤兵衛が来る。藤兵衛は滝を見るなり驚いた顔をして持っていたお盆を落としてしまう。藤兵衛は首をかしげながら通り過ぎようとすると彼女のいる方角から一台の車が走ってきた。本郷が考えようとした直後、簪が車椅子で部屋に入ってきた。簪は複雑な表情になっていた。「そうとは言っていない。あの技だって連続で使わず状況に応じてエネルギーの消費を調節すればあんなエネルギー切れを起こさずに済むんだ。要はコツを掴めってわけだ。」簪は頭を下げながらお礼を言う。それを見た後本郷は少し安心する。「確かに周りから見れば世界最強かもしれん。でも、実際は最強以前に彼女は儂らと同じ一人の人間に過ぎないんだ。傷つきもするし、悲しんだりもする。そういう時は誰かが支えてやらなきゃいけないってもんだ。」「儂は別に構わんよ。ただ猛たちも動いてくれるかどうかまではわからんな～。ニ、三日前にこのマシンの制作を依頼されて作ってはいるが・・・・」「全く、最近の若い娘は教育がしっかりしとらんな！儂みたいな年寄りに道を開けろだとか男のくせにだとか・・・・・いやな世の中になったもんだ！」簪はいつの間にか姉に対してのコンプレックスを話していた。本郷たち三人は思わず黙って聞く。簪の話は段々エスカレートしていく。「本ちゃん、ちーちゃんたちに隠し事しようとするなんてひどいんじゃないの？」「でも、そこまで言うなんて流石おやっさんだな。普通なら世界最強相手にそんなこと言えないぜ。」「昔から姉と比べられていっつもいつもダメな妹としてしか見られていなかったんです。私だって努力しているんですよ。小中共に学力もトップでしたし、運動だって毎日にジョギングや筋トレを欠かさなかったし・・・・・・スタイルは微妙だったけど・・・・・・」「でも、どうする？見放されたとはいえ彼女は更識家のご令嬢、さらに言えば元とはいえ日本代表候補生だ。このままここに置いとくのは問題だろう？」「確かに俺と本郷はお前と簪ちゃんと比べちまうと性能は下だ。だが、それに比例して力を発揮するためにはエネルギーが必要になる。特にお前の場合は体に必要な電気エネルギーを技を使うたびに消費する。つまり一言で言えば戦闘をするためには俺と本郷の倍以上のエネルギーを必要になるんだ。」「い、いえ！珈琲を飲む機会があまりなかったものですから・・・・・」滝たちは早速店の中へと入ってみる（本音は無理やり）。中では作業着を着た女性がバイクの整備をしていた。「それは・・・・・・いっくんとそこのお嬢さんの妹さんが本ちゃんの家にいるという事で～す！」藤兵衛はさっき落として割ってしまったマグカップをさっさと片付け、滝たちの分も追加で珈琲を淹れなおしてきた。楯無は思わず拍手を送ろうとするが虚が横から制する。おそらく大人げないと思ったからだろう。虚は一呼吸を置いて藤兵衛に言う。滝は懐かしそうに言う。そう話をしている間に車は目的地に到着する。車の右側には『立花レーシングクラブ』と書かれた看板の店があった。「そうだな・・・・一言で言えば俺や本郷の『もう一人の父親』って感じかな？だから俺たちもそういう意味で『おやっさん』って呼んでいるし。」「ん～～～～～あの娘どっかで見たことがあるような・・・・・・」突然の聞き覚えの無い声に一同は驚いた声を上げる。ただ千冬一人はまさかという顔で店の外に出てくる。「ここ数日様子を見ているが体の機能も安定して日常生活にも問題ないぐらいに回復している。」「ああ、何よりまた増えちまったらしい・・・・・・アイツらと同じ・・・」滝は藤兵衛の方を見ると懐かしさのあまりに藤兵衛の方へと向かった。「ああ、俺の考えではできれば彼女を元いた家に戻してあげたいところだが・・・・・」藤兵衛が店の上に指を指す。そこにはこの辺では違和感がありすぎる独特のファッションにウサミミのカチューシャを頭に着けた女性が立っていた。「儂も彼女に全て話したよ。あの事件は公式では死者はゼロと言っているが情報操作をした綺麗ごとに過ぎん。実際は迎撃を逃れたミサイルがあった。当然、その地域にいた人たちは家族を失っておる。」「いいか、一夏。お前は俺と本郷とは違って電気人間である分エネルギー消費が俺たちと比べて半端ねえんだ。」藤兵衛はそんなことを言いながらも懐かしいのか自然とうれし涙が出ていた。「別に俺は構わない。君たちの心の整理が整うまでここにいればいい。」藤兵衛は店の外に出てみる。そこには依頼した本人である本郷が来ていた。「私は消えてしまった方がいいんだ！みんな私のせいで・・・・・・私のせいで・・・・・」「・・・・・つまり、そこの嬢ちゃんの妹を探しているという事か。」一文字の一言に簪は我に返り思わず顔を赤くした。そんな彼女に一夏は慰めるように言う。「儂はそのとき思わず彼女を打ってしまってな、こう言ってやったんだよ。『お前が死んだところで死んだ弟君が喜ぶか！死なせてしまった人たちは浮かばれるのか？』ってな。」本郷は部屋に置いてある機器を見ながらベッドで寝かされている簪に言う。「懐かしい？おやっさん、俺とはついこの間会ったばかりじゃないですか。」彼はそう言いながら珈琲を淹れようと台所に入るが豆を切らしていたことに気づく。「住所を調べてみたんだが昔『少年仮面ライダー隊本部』があった場所がなくなっていたからな。んで、さらに調べてみたら住所も転々としていて見つかったのかこの辺だったわけだ。」「束？んじゃ・・・・この娘が千冬ちゃんが言っていた『篠ノ之束』か？」藤兵衛は心配そうに女性を見ると予想が的中したのか女性は車の方へと身を投じようとした。「ええ、ところでおやっさん。どうして織斑千冬がここにいるんだ？確か俺が知っている情報でも日本に帰国後、動向がわからなくなったって聞いてたけど・・・・・」「それから儂は彼女を家まで連れてきて話をすべて聞いたんだ。儂もはっきり言って彼女がどれほど自分で苦しんだのかも十分通じた。両親に姉弟揃って捨てられたり、友人のために協力したとはいえあの白騎士事件は彼女が関わっていたものとはな・・・・・」「自分は本当の人殺しだと言って台所から包丁を持ってきて自殺しようとしたよ。あの時は止めるのが大変だったわい。」２号ライダーに追撃を仕掛けようとしていたストロンガーは急に跪いた。簪はそう言いながらも自分の両手を見る。すると本郷は簪に合わせてか手袋を渡した。女性は泣きながら叫んだ。その顔を見たとき藤兵衛は新聞に写っていた千冬のことを思い出す。「・・・・ってことは俺は二人よりもエネルギー消費の効率が悪いんですか？」藤兵衛は思わず買い物袋と傘を放り出して女性を後ろから引っ張り上げる。女性は車に衝突寸前だったが藤兵衛のおかげで事無きを得た。「あの・・・・簪ちゃん。君の気持ちは理解したからそれ以上言わなくてもいいよ。」藤兵衛はそこまで言うと煙草を口に咥えライターで火をつけて一服する。女性が振り向くと滝たちは思わず驚いた表情をする。無理もない、そっくりとかそういう冗談ごとではなくそこにはブリュンヒルデこと織斑千冬が作業着を着て仕事をしているのだから。